おかみブログ

2008年11月2日

お庭に石釜を

山暮らしの醍醐味のひとつ。石釜でピザやパンを焼くこと。
八ケ岳でのリタイア暮らしを楽しむ人たちが大勢集う、長坂のカフェ「ピアニッシモ」に
石あるくオリジナルの石釜を設置させていただきました。
大谷石ピザ釜1 大谷石ピザ釜2
石室の内部↓
大谷石ピザ釜3
下で薪を燃やし、石室を温める構造です。
広いので、焼くものが少ない場合はこの中に薪を入れ、焼くときだけ掻き出すか周りによける、というやり方もできます。
石で作るから石釜なんじゃないだろうかと思うのですが、
実際のところ石釜の定義はよくわかりません。
石釜といっても、ちまたにあるのはセメント釜やレンガ釜がほとんど。
でも今回ご提案するのは正真正銘、石で作った釜です。
耐火性に優れた大谷石。
石釜の素材としても一般的に知られているものです。
青白い地に茶色の斑が入って、とてもきれいな素材で、大好きです。
玄関にもgood↓
石家見学会1
火入れを11月6日に行います。
ピアニッシモさんのご好意で、ピザパーティをする予定。(会費制)
ご興味のある方はご連絡いただくか、
下記のコメントにて「管理者にだけ表示を許可する 」にチェックをいれ、お知らせください。

2008年3月20日

フェアリーのパン

今日は我が家を訪問してくれたお客様が大好きなフェアリーさんのパンをおみやげに持ってきてくれました。
いつも買ってるパンなのに、人からいただくと新鮮です。
この人はこれが好きなのかな、あるいは私はこれが好きと思われてるのかな。
ふぇありー1
チーズクッペ(?)、春菊とマカダミアナッツのパン、クリームパン3個。
フェアリーといえばクリームパン。
給食パンを思わせるなつかしくてシンプルなふわふわ丸パンに、とろーりカスタードがたっぷり入っています。
運転しながらでは決して食べられない、クリームのボリューム。
でもクドくないのは、クリームが甘すぎないからかもしれません。
やさしい牛乳の味なのです。
3つもあるってことは、家族3人分ってことかしら。
その気配りがうれしい。
ふぇありー2
チーズパンは初めて食べました。
今まで見落としていたんですね。
人からいただくと、自分で気づかなかったおいしいパンに出会えるのもトクです。
角切りチーズたっぷり。食事パンにもよさそうです。
そして春菊とマカダミアナッツのパン。
タイミングがずれて昼食をとれなかったとき、いつもあるわけではないこのパンを見つけると、それで今日食いっぱぐれたことをチャラにできるくらい、うれしいおかずパン。
ほんのり塩味が効いていて、なんとなく野菜の栄養もとれた気がして満足な一品です。
フェアリーの中で一番お気に入りといっても過言ではないこのパンを、
彼女がおみやげに選んでくれたことが、さらにうれしかったのでした。
フェアリーさんHPはこちら
リンクさせていただいてるブログ友達でもあります。
↓ランキング応援してね。ひと押しで一票入ります。
にほんブログ村 ライフスタイルブログ 田舎暮らしへ 

2008年1月3日

おかみブログダイジェスト・2008

2008年2日目。
予告どおり昨年1年間の記事の中から、自選10記事を発表〜!。
入選のポイントは
・テーマにそっている
・今読んでもあまり恥ずかしくない(普遍性)
・カテゴリーが均等になるように
・特定の人や店は割愛 →また別の機会に別の形でまとめる

<石>
高根のお墓・神社でお花見
石のある風景の中で、一番絵になる季節。
だから石屋はやめられない〜規格無の不思議の巻〜
あまり知られていない石屋さんのお仕事をのぞいてみましょう。
<子>
カンバン娘
2才の誕生日を控えた娘の意外な発言とは?
遠足のお弁当
身勝手なこだわり、でも愛情たっぷりお弁当とおやつ。
<山>
北杜市の新たな観光振興を考える
観光って何?大きなレジャー施設を持たない北杜市の生きる道は。
にわか鉄道ファン
2007年夏はまった小海線の新たな魅力。北杜24景にも選ばれた情景です。
<伝>
我が家も安心、火の用心
家が竣工したら欠かせない年中行事。
俳句会に入門
俳句始めました。季語を知ることは微妙な季節や風景の変化を知ること。
<素>
重ね煮パーティ
食の基本。素材の味をまるごといただく究極の料理術。
インフルエンザ?
薬は万能じゃない。
今後もよろしくおつきあいください。
にほんブログ村 ライフスタイルブログ 田舎暮らしへ 

2008年1月1日

おかみブログへようこそ

平成20年が明けました。
年末にきて大きな厄を背負いましたが、まあ経過は順調、
心配も少なく娘と2人で静かに年を越しました。
年賀状も少し遅くなりましたが、一応年内にほぼ出し終わり一安心。
その年賀状で、今年は正式に(?)ブログ紹介をしました。
去年もこのブログで書きましたが、年賀状だけでもつきあいを大切に続けている友人に対して、
「これ見てね」のブログは本当に便利なものです。
検索キーワード「石屋のおかみ」でYahoo、Googleともに1位。
探しやすくなりました。
ということで、年賀状を見てきてくださった方もいつもの常連さまもどうもありがとう。
改めて、今年もよろしくお願いします。
ブログ立ち上げ当初は石屋を宣伝しようと、ムリして石のことばかり書いていましたが、
いまや筆者やよぶの趣味の世界。
でも一応テーマを掲げて書くようにしています。
石 「石」・・・石屋の宣伝、墓石、石像物の入った田舎の風景写真
む 「子」・・・子育て体験記、子育て環境に思うこと
やま 「山」・・・八ケ岳お勧めの店やスポット、田舎暮らし
太鼓 「伝」・・・伝統文化に思うこと、最近入門した俳句
森 ごは 「素」・・・自然素材の環境、エコロジー、マクロビオティック、からだと健康
上のテーマに合いそうなネタをみつけてきて、なるべく個人的な日記調にならないように、書いています。
いろんな人の意見を聞きたいから。
ここの暮らしを知ってほしいから。
コメントもお待ちしています。
一般公開してもいいものはそのままで。
管理者のやよぶだけに宛てたい内容なら
コメント投稿画面の一番下に「管理者にだけ表示を許可する」にチェックを入れていただければけっこうです。
次回はお正月スペシャル!恒例・ブログダイジェスト!
「石屋のおかみの八ケ岳絵日記」ベスト10!

にほんブログ村 ライフスタイルブログ 田舎暮らしへ 

2007年9月24日

石屋イベントへのお越しありがとう

23日(日・祝)、お彼岸なので、石屋らしいイベントをしようと急きょ思い立った企画「石と友だちになろう」を行いました。
砂場で宝探し
2m四方くらいの砂場にきれいな石を40個程度隠しておきました。
見つけることが目的ではなく探しながら、これは何の石か学んでもらう、という意図です。
8種類の天然石(めのう、水晶、アメジストなど)をポスターにしておきましたが、なかなか探究心を起こさせるよう誘導するのも難しいもの。
小学生も中学年になるとすぐにパッパと見つけられてしまいました。
でも小さい子は砂場で遊ぶことが楽しいようで、きらきらした石を見つけては、名前を覚え、楽しんでくれました。
見つけたものの中から一番好きな石を1つおみやげに持って帰ってもらいました。
砂場1 駐車場がにわか砂場に
砂場2 親御さんの許可がとれたのでアップしちゃった。かわいー♪
石のおはなし紙芝居
予告どおり、「かさじぞう」と「がんまくさん」をやりました。
かみしばい

表札作り
チラシ配りのときは一番反応が多かったのに、いざフタをあけてみると参加者ゼロ。
やっぱり時間かかるからかなあ。
事務所のテーブルに石像関係の本や、石ころ図鑑などを置いておきました。
お遊びのあと、お茶とお菓子をつまみながらそういうのを読んでいってくれる家族もいました。
しかし夫たちにはハラたった!
こっちが一生懸命接客してんのに、恥ずかしがってか、作業場にこもって記念碑の文字彫刻作業。
どうせだったらその作業を見せて、「ブラストってこうやるんだよ」と町工場見学でもさせてやれば、小学生なんかはいい社会科見学になったのに!
まったく「おもてなしのこころ」をうまく出せなくてスミマセン。
単独イベントって、ほんとむずかしいですね。
こんどはどっかとコラボしたいな。
↓石屋の応援、ワンクリックお願いします。
にほんブログ村 ライフスタイルブログ 田舎暮らしへ 

2007年9月12日

親子向け石イベントやります

石あるく初のこころみ、石のイベントを開催することになりました。
題して
「秋のお彼岸企画・石と友だちになろう
おはなしのじかん
石にちなんだ昔話をかみしばいと語りで上演します。
にほんむかしばなしの「かさこじぞう」、こぶちさわむかしばなしの「がんまくさん」をする予定。
上演時間:11時、2時
つくってみよう
自分で表札づくりに挑戦!
石板にゴムシートを貼り、好きな絵や字を描いて、彫る部分だけをカッターできりとります。
石屋のおにいさん(おじさん?)がその場で、サンドブラストという方法で彫ってくれます。
我が家だけの表札をつくってみませんか?
参加費:1000円(材料費含む)
 注)カッターを使います。小さいお子様のご使用は十分注意して、保護者と一緒に作ってください。

宝の石さがしゲーム
砂の中にきれいな石がかくれています。
透明、白、赤、緑、青、ピンク・・・
なにがみつかったかな?
これってなんていう石だろう、どこでとれるの?
山梨の名産・水晶をはじめ、めのうなど。
参加費:500円(たから石のおみやげ付)
ふだんあんまり知らない石の世界に、親しんでいただこう、という企画です。
ご家族皆さんでお越しください。
お彼岸企画

↓ランキング応援してね。ひと押しde
一票入ります。

にほんブログ村 ライフスタイルブログ 田舎暮らしへ

2007年8月30日

田舎暮らしブログ仲間

このたびブログランキングをブログ村にも登録しました。
実際には1週間ほど前からなのですが、使い方や反応がわかるようになってきたので、あらためてご報告です。
fc2のランキングでは「エコロジー」に入れさせてもらっていたのですが、あんまりエコの話書いてないし、おこがましかったのです。
でも同じエコランキングの他の人のブログはとてもおもしろかったので、離れがたいものはありました。しばらく併用しますが、もしかしたら完全に引越しするかも。
ブログ村のランキングもこの短期間でおかげさまで5位まで浮上しましたので、そろそろきちんとご挨拶したほうがいいかな、と。
masanさん、お誘いありがとうございました。
八ケ岳から岐阜加子母村に移って田舎暮らしを楽しむブログ仲間です。私のブログ師匠と呼ばせてもらいましょう。
それにしても「田舎暮らし」という言葉がカテゴリーになるほどに、ライフスタイルのひとつとなっているなんてね。
10年前に八ケ岳に来た頃は息がつまりそうで大変だった私も、いまやジモティの夫よりある意味ここの生活になじんでますからね。
慣れもありますけど、やっぱり八ケ岳が持ってる魅力だと思います。
ブログ村の皆さんこんにちは。
よろしければ「おかみブログダイジェスト」からごらんください。
↓ということで今後ともよろしく。1クリックで1票入ります。
にほんブログ村 ライフスタイルブログ 田舎暮らしへ

2007年7月8日

ブラスト彫刻つながり

ガラスエッチングをしている人と知り合いになりました。
文字彫刻3

写真の写し方が悪くて申し訳ない・・・
色紙に書かれた手書き文字そのままガラスに彫刻しています。
デザイン部分を薬品で腐食させ形を現すのが本来のエッチングですが、今工業的によくあるのは、サンドブラストによる彫刻。
エッチングみたいな効果に仕上がるので、ガラスエッチングといわれることもあります。
サンドブラストといえば、有名な使いどころは墓石。
「○○家先祖代々」とか戒名などを刻むのに大重宝で、今やほぼ99%、墓石の文字彫刻はこの方法でしょう。
墓石を彫刻する場合は、
まず厚さ1mmくらいのゴムシートを文字型に切り抜き、
文字彫刻1
↑パソコンからの指令で自動でゴム切りをする愛しの「一刀彫」くん
それを石に貼って彫る部分のゴムをはがします。
それから鉄の砂を高圧で吹きつけ石を削っていきます。
文字彫刻2

彫り終わったら残りのゴムマスクをはがしてできあがり。
文字彫刻4 「とおつみおやよよおやたちのおくつき」と読む。神道のお墓。
今回知り合いになった人のようにガラスエッチング的にサンドブラストを使う人は、ゴムシートの代わりに薄い膜を使います。
で、削る部分を薬品で溶かし、マスクを作るわけです。
パソコン上でマスクデザインを作るのはゴムマスクと同じで、いろんなフォントの他、手書き文字や写真もスキャナーで取り込むことができます。
ただ、ゴムシートの場合は細かい線や写真などは作れませんが、薄い膜ならそういう繊細なデザインも大丈夫です。
ウェルカムボードやペットの思い出プレートなどの商品が一般的。
素材は主にガラスですが、黒い石板なんかを使うとそれはきれいに絵が出ます。
ウチにも専用の機械は一応ありますが、普段仕事として受けてないので1枚や2枚するのはとても面倒。
こんな風に専門でやってる人が近くに来てくれれば、どんなにか助かって、仕事の幅も広がって、おもしろいだろうなー。
↓今まではこんなの作ったりしました。
文字彫刻6 文字彫刻7 文字彫刻8

2007年5月24日

だから石屋はやめられない〜文字彫刻の極意の巻〜

手作りと工業製品のハザマで右往左往しながら生き残りを模索する石屋業界。
データ管理できそうでできない、その最たる作業が文字彫刻だ。
ロゼッタストーンにも代表されるように、石に文字を刻むことは紙とはまた別の重い意味を持たせることができる。
エターナルな内容で、屋外で使用、多くの人の目にふれさせる、という意図のものは石を使うのが伝統的だ。
石工の重要な作業のひとつに文字彫刻がある。
昔はチョンチョンとノミで彫っていったものだが、現代では「サンドブラスト」という方法を用いる。
彫刻面にマスキングシートを貼り、炭化珪素という細かい砂をすごい圧力で噴射して、文字部分だけ削り取っていく。
マスキングシートはパソコンの専用ソフトと専用機械で、今や比較的簡単に作れる。
画面上でフォントを呼び出し、配置、カッティングの指令を出すと、出力側のプロッター(カッター刃がついたマスク用ゴムを切る機械)でギリギリギッチョンと自動的に切ってくれるのだ。
文字彫刻1 ←マスキングシート製作用プロッター
マスキングシートがここまで進化しているのに、肝心の石のほうがかのおおざっぱぶりだということは前述のとおりだ。
たとえば墓誌。亡くなった人を代ごとに順番に記録していく石板のことだが、その石材に「墓誌」と題字をいれ、「戒名・没年月日・俗名・行年」を入れる場合、余白や将来にわたって全体で何人入れるかを考えた上で、今回彫る人の配置を決める。
文字彫刻2 ←石板にゴムを貼り、ブラストし終わった状態
23×21寸で発注して、平均的な誤差は3分、つまり10mm弱。
石屋によってはほとんど気にしないで毎回同じ寸法で彫るところもある。結果、その石板がすべて文字でうまった時には変に余白があったりつまっていたりするかもしれない。でもそんなのは何代もあとのことだし、自分が仕事をするかどうかなどわからない。しかも、その家が代々続いて石板がすべてうまるという保証もない。そんなことまで気にしてもしょうがない、という判断だ。
ウチはそれがイヤなので、将来(おそらく百年後とか)同じ間隔で彫っていってくれればきれいに全体が配置されるであろう寸法を初回の段階で考える。
そこにはだかるのが誤差の壁。
A4とかB5とかきっちり決まったサイズなら毎回同じでラクなのに、同じサイズのはずでも毎回違う誤差が出るから毎回現物を測ることになる。
仕入れた製品の荷をほどき、作業場に置き、寸法を測り、配置を考え、ブラスト用ゴムマスクを準備する。
同じ寸法で注文しても、毎回この作業が発生する。
自然素材相手のオーダーメイドだから当たり前といえば当たり前だ。
なんとかラクにならないのかなぁ。
と嘆きつつも、代々伝えるべき墓石を扱う人間として、はしょることのできない作業なのである。
規格無2

2007年5月23日

だから石屋はやめられない〜規格無の不思議の巻〜

八ヶ岳のお店ガイドブックを作っていて、「印刷費も安くなったなぁ」と思った。
手写しの長い歴史を経て、ルネサンスの三大文明である活版印刷、日本の浮世絵普及に寄与した版画技術、現代に入り写植、そしてDTP・・・。(印刷屋じゃないのでこの程度の知識しかないが)
同じ情報を大量に配布する必要性と人間の好奇心が革命を起こし技術を進化させ、それに伴い費用が下がる。媒体である「紙」の形も規格化。A4、B5、24p中綴じ、文庫版、新書版・・・エトセトラ。しかも受発注双方が一言も話をすることなく、ネット上でデータの交換を行い郵便受けにブツが届けられ、カード決済で支払いも済ませられるようになった。先日も娘の大量のブロマイド製作をネット上のデジカメプリントサイトに発注したら百数十枚も頼んでたったの1000円だ。早い・安い・楽。
規格化し数を集め労力を減らし価格を下げる。
そんな超当たり前のことがどの業界でもなされているのに、石材業界はかなり事情が違う。
まず、いわゆる「規格品」というヤツが、あるようでない。
たとえば、よくある3段型の墓石。
規格無1

大雑把な比率はあるものの地域によってかなりの差があって、関東の場合は竿石の縦横比率は横1:縦2.5が標準だけど、同地域でも店によって微妙にサイズは違う。台石の大きさもぜんぜん違う。どれが正しい、というものはなく、製作者のセンスの問題だったりする。
個々の石屋の意匠、といえば聞こえはいいが、そのサイズの違いにどれほどの意味があるのか、一般人には理解できない。第一見比べたってわからない。
石屋本人だってよくわかってない。ただ、自分はこのサイズ、比率がいいと思っているだけだ。
そうはいってももちろんある程度は大手問屋ベースで既製品となっている。
墓石も今は原石から個人の石工がこつこつ彫刻していくようなことはまずなく、加工業者から製品を仕入れるのが常識。中国などの安い人件費で上がった輸入品も多い。
でも結局大量生産はできない。
同じ部品を作って組み立てるタイプの商品ではなく、あくまで「石」という自然素材をひとつひとつ加工する、という特性をもった商品なのだ。
どんな大手だって基本的には在庫を売るという発想ではなく、見本を並べて受注した段階で新たに作ることが原則となる。
どうせ規格品を作ったって結局ニーズに合わせて一からつくるのだから、既製品が流通しにくい。
さらに、たとえ設計上のサイズを統一したとしても、自然素材相手の個別対応加工品である以上、必ず誤差がでる。
外柵用の石材はある程度寸法どおりで、目地で調整できる範囲のものだが、墓石や墓誌に使う石材はかなりアバウトだ。磨きの精度を追求する分、寸法まで気にしていられないのが実情かもしれない。
手作りのものというのはそういうものだ、と思う人も多いかもしれない。
特に八ヶ岳にはクラフト作家が多く、手作りのもの、職人のものが比較的身近にある。
だが意外と墓石は手作りとはみなされない。作家というより土建屋に近い業種だと思われているフシもある。
確かに今は分業制だから、最初から最後まで全部自分で作っているわけではないのだけど。
最近よく異業種が参入して折込チラシで「墓石一式据付工事込み○○万円」などという広告が入っているせいもあるだろう。
-----—
きわめてドロくさい、アナログな世界の中で、面倒を感じる世界。
でもだからこそ、自分の好きなようにデザインできる自由さがせめてもの救いかもしれない。
お墓づくりは、注文の木造住宅を作るのに似ている。
そう、ご先祖の魂が住むところだから、まさに「家」だ。